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【F通信】安藤駿介 ナンバーワン
「お前がナンバーワンだ」
安藤駿介が遠征の移動中に読んでいるほど大好きな漫画「ドラゴンボール」。そのなかで好きなシーンがプライドの高いベジータがライバルである悟空の強さを劇中で初めて認めるまでの過程だという。
アカデミー育ちで2009年にトップチーム昇格後、2013年に湘南への期限付き移籍を除いて長年フロンターレ一筋でチームを支えてきた安藤駿介。2012年にはロンドン五輪にも出場するなどの経験を積み一つひとつ階段を登ってGKとしてのレベルを上げてきた。それでもなかなか出場機会に恵まれない日々。それは悔しいの一言で言い表せないものがあったはずだ。ただ安藤はここで折れない。前述したベジータのようにポジションを争うライバルの力を認めながら、いつ出番が来てもいいように毎日のように準備をした。自分の体にムチを打って少しでも最高のパフォーマンスを発揮できるようにトレーニングに重ねて体調管理も怠らない。いつだって安藤はプロフェッショナルだった。
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そのたゆまぬ努力をサッカーの神様は裏切らない。いくつかの巡り合わせもあってACLEリーグステージMD8セントラルコースト戦で9年ぶりのゴールマウスに立った。「久々の出場でしたが、自分がやってきたこと以外は出ないと思っていたので背伸びせずにやろうと考えていました」と話すように落ち着いた立ち振る舞いと存在感でチームに安心感を与え、的確なコーチングと裏返ってしまうほどの大きな声がけで枠内シュート0本に抑えて完封勝利に貢献した。
「試合に出るまでの9年間は長かったですが、ずっとこのチームでやり続けたことがつながったと思います。そしてフロンターレでやり続けて出場のチャンスを得られたのが自分にとって大きいですし自分にとって大きな1試合です」(安藤)
自分にできることに対して100%の力を注いで準備をしてきたからこそのパフォーマンスだった。
どんなときでもチームを支えて幾度となく勝利へと導く。そうやって力強く歩んできた安藤がゴールマウスに立って完封勝利を手にしたのだから、よりチームは勢いづくだろう。
そして間違いなく安藤のプロフェッショナル精神は”ナンバーワン“だ。
(高澤真輝)