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【F通信】長谷部フロンターレ、始動

1月7日(火)、新指揮官の長谷部茂利監督ともにフロンターレの2025年シーズンが幕を開けた。

早朝は曇り空で雨が振っていたがミーティングを終えてグラウンドに降りたころには快晴に。その晴れ模様と同じように明るい雰囲気のなかで練習が行われていった。

パス&コントロールのメニューでは長谷部監督が丁寧に具体的に言葉を伝え、それに選手たちも応えるように一つひとつのボールにこだわる。集中力を高めながら全員でサッカーができる喜びを噛み締めながらプレーしている選手たちの表情から今シーズンへの期待が高まる始動日となった。

「いよいよ始まるなと。自分たちが目指しているタイトルへ向けて明確な言葉を監督からもらいましたし、これからが楽しみです。目標はリーグ優勝、そしてフロンターレが唯一獲れていないACLEのタイトル。フロンターレのサッカーは観ていて面白い、応援してよかったなと思ってもらえるような戦いをしていきたいです」(脇坂泰斗)

今季も選手、スタッフ、サポーター一丸となって目標へ向かって邁進していく。

(高澤真輝)

■長谷部茂利監督


(質問者は通信社、新聞社や専門誌、フリーランスの記者の方々です)


──練習初日を終えての心境を聞かせてください。

緊張感のあるなかで練習を終えられて清々しい気持ちです。

──チームの印象を教えてください。

少し静かだったかなという印象もありますが技術的なところは相変わらず上手ですし、いい顔つきで笑顔もありました。クラブハウスのなかでもそういった雰囲気だったので雰囲気はよかったと思います。

──フロンターレは長谷部監督にとって古巣でもあります。どういった思いをもって監督を引き受けたのでしょうか。

過去短い時間でしたが選手として所属し、お世話になったクラブです。そういったクラブにチームをよくしていくための役割を果たしてほしいという話をいただいたので、自分としては断る理由は何もありませんでした。

──フロンターレはパスで守備を崩す攻撃的なサッカーをアイデンティティにもっていますが、そこに長谷部監督はどのような色を加えていきたいと考えていますか?

クラブのフィロソフィーを大事にして体現することが大切です。そのうえで勝点を取りながら少し修正しなければいけない点もあると思います。

──長谷部監督が所属していた1997年の当時からクラブも変わったと思います。当時の思い出や印象に残っていることはありますか?

勝点1差でJリーグに昇格できなかった悔しさもあります。自分ではそこを克服できるようにという思いももっていますし、クラブも一昨年と昨年に悔しい思いをしているので変えていきたいと思っています。

──タイトル奪還に向けて長谷部監督はどのような意気込みをもっていますか?

過去にたくさん優勝しているチームなのでタイトルを目指すのは当たり前のことだと私自身も思っています。

──練習の最初のランニングで長谷部監督が間隔を「もう少し近くに」という言葉をかけていました。どういった思いで伝えたのでしょうか。

チームというのは2つにも3つにもそれ以上にも分断してしまうことがありえます。そうならないように一つになることが大事という一つのアドバイス。ランニング一つとってもまとまっているほうが私は好きなので伝えました。それを選手たちが実行してくれました。

──練習中の指導を丁寧語で伝えていました。どのチームでもそうしてきたという話をうかがっていましたが意図などはあるのでしょうか。

たくさん言葉を使う仕事なので、なるべく間違えないようにと考えて話しています。この取材中に話していても間違っているかもしれないですが、受け取る側の選手やスタッフにどう伝わるかを意識しているので丁寧語か敬語なのかは分からないですが、伝わればいいなという思いを込めて丁寧に話しているつもりです。

──監督に決まってから短い期間ですが、どのようなところにフロンターレらしさを感じていますか?

まずクラブハウス、ピッチといった施設が素晴らしいです。あとは皆さんがご存知のとおり選手が上手。スタッフも含めて一緒に一丸となってやっていきたい思いです。いいこと尽くめという印象です。

──シーズン初戦がACLEになりますが、そこに向けてどう段階を踏んでやっていきたいですか?

公式戦で自分たちのプレーができるようにすることを大事にしています。いきなり明日試合はできないので段階的にチームを作っていきたいです。

──システムの変更も考えているのでしょうか。

変更も一つの選択肢だとは思っています。ただ私は昨年いたわけではないので細かいところまでは分かりません。昨年のシステムを聞かれても正しく答えられる人は監督やコーチしかいないと思います。そこに対しては色んな変化もありますし、今ここで喋るようなことではないと思います。それにシステムで負けるとも思っていません。ただ大事なことではあるので、よく考えていいことは継続してよくないことは修正していきたいです。

──対戦相手としてのフロンターレを分析していたと思いますが、どんな印象でしたか?

攻撃力があって得点力がある。これは継続するべきです。失点が多い。これは修正するべき点です。その他もろもろ、そこに付随することがたくさんあります。継続するためには質を高く、維持するだけでは成長が止まってしまうので高めていく必要があります。修正するところは意識高く取り組むことで少しずつ変化が生まれると思っています。実際にやってみてどうなるかだと思っています。

──いまは監督としてやらなければいけないことが頭に溢れている状況だと思うでのすが。

そんなに焦っていないです。私は20年弱コーチをして、代行監督もやりました。プレシーズンから監督をやるのは今年で8年目なので焦ってもいいことがないのは分かっています。やらなければいけないマストはありますが怪我人を出してもしょうがないので、頃合いを見ながら一番いいところを見て成長していきたいと思っています。

──監督として大事にしていきたことはなんですか?

プレーするのは選手ということです。その選手を応援しているのが家族でありファン・サポーター、川崎市民。それが大事ですし、そこを抜きにして私の仕事はありませんし、川崎フロンターレは実在しないと思っています。

以上

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