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【F通信】山根視来の熱いハート

声を張り上げて常に感情を剥き出しにして戦う山根視来は、見ていて気持ちいいくらい熱いハートを感じる選手だ。また、プレー面も半端ない運動量で上下動を繰り返し、ときには内側に入ってビルドアップに関与。そして1対1の守備はクリーンに対応して、攻撃時になれば敵陣の深い位置まで走り込んでいく。そんなアグレッシブなプレースタイルがフロンターレの攻撃力を高めている。

ただ、今シーズンの序盤戦は色んなことを考えることが多い時期もあった。昨年のカタールワールドカップ日本代表メンバーに選ばれたこともあって周りから見られる目が変わり、悩みがプレーに出てしまうこともあった。それでも山根は必死にやり続けることで見つけたものがある。

「周りからの見られ方や思われ方が変わってきたのは自分でも分かる。そのなかで僕の思考はグルグル回っていて悩むことが多かったけど『俺は別に器用なことやってきてないしな』って。例えば僕が背後にランニングしたときに、ボールが出てこない試合が続くと『全然、いい場所に走ることができてない』と思っていたこともあったけど、実際には走っていないわけではない。でも勝点につながらない試合が多かったから色んな悩みもあったし『俺が何でもやって勝点につなげないといけない』と勝手に考えを大きくしていたところもあった。それが、割り切って考えられるようになったのが大きい」

これまでのサッカーキャリアを振り返っても山根は目の前の現れた壁に対して、とにかくガムシャラに挑み続け、常に100%の力を振り絞って乗り越えてきた。その作業を何度も何度も繰り返していくことで一つひとつ高みへの階段を登ってきたことで今がある。今年はこれまでとは違う壁だったかもしれないが、泥臭くとも歯を食いしばって一つの壁を乗り越えたことで、よりパワーアップしてピッチで最大限のプレーを見せることができているのだろう。

これからシーズンは佳境へ。リーグ戦は一つでも上位に進出できるように、ACLはグループステージ突破するために。そして天皇杯はタイトル獲得へ負けられない戦いが待っている。目の前の試合に勝利していくために山根らしくエンジン全開で熱く戦う。

(高澤真輝)

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