【F通信】橘田の野心と覚悟
昨季の全日程が終わったあと、橘田健人が力強い眼差で口にした言葉がある。
「来年もタイトルを獲るのは絶対の目標。今年はJリーグタイトルを獲れなかったので、奪還してすべてのタイトルを取りたい。個人タイトルもとることができなかったので、今年は本気で目指していきたいです」
個人タイトルとは“ベストイレブン”。その野心と覚悟を胸に今シーズンに臨んだ。そのために自分はどうしたらいいのか、どうチームの勝利に貢献できるのか。その思いをプレーに表現できるようにサッカーと向き合い続けている。
「もっとゴールやアシストにこだわってやっていきたいし、ボールを確実に奪い切る。僕は常に試合を見ている人が明らかに1番いいプレーをしているなと思われるプレーを続けていきたいと考えています。だから結果を残していきたい思いです」
持ち前の泥臭い守備や攻撃に関わる局面も年々増加していて、J1第5節のFC東京戦(3-0/◯)では地を這うイーグルショットでゴールネットも揺らした。さらには中盤で巧みな身のこなしから前を向いて前進するプレーはチームに勢いをもたらすなど存在感を発揮している。ただ、橘田に満足する気は毛頭ない。チームが勝つために自分自身にベクトルを向ける。
「もっとプレーの質やレベルを上げて勝利に貢献していかないといけない。見つめ直しながら毎試合良くしていくことが必要だと思っています」
なかなかチームは勝ち切れていないが、チームも橘田も確実にレベルアップの材料を重ねていっている。そこで勝敗を分けるのは紙一重の勝負。勝点3をつかむために、ゴールデンウィークのレン線もチームと自分を信じて背番号8が全力でピッチを駆ける。
(高澤真輝)