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【F通信】橘田健人 勝利へと導くために

ACLグループステージ第2節の蔚山現代戦。フィジカルを生かして戦ってくる相手に対し、多少の体格差があろうとも怯まずに戦ってハードワークを続けて強気な判断でゴールへと向っていく。そんな攻守で広い範囲を動き回って、チームの支えになっていた背中は、橘田がキャプテンに就任した今シーズンの開幕当初に掲げていた姿そのものだった。

「『キャプテンですごいね』ではなく1人の選手として『すごい』と言われたい。キツいときでも戦う、声も出す。そう思ってもらえる選手になりたい。だから変にキャプテンだから、キャプテンだからとならずにやっていきたい。そして1人のサッカー選手として誰が見てもコイツに付いていこうと思わせるプレーや行動でチームを引っ張っていきたい」(橘田)

これまでチームは勝てない時期もあり、ときにはメンバーから外れることもあった。チームが勝てない理由に対しても自分に矢印を向けすぎて、キャプテンマークが重く感じることもあった。それでも、鬼木監督をはじめ頼れるチームメイトなど、様々な人の助けを得ながら日々の練習から必死にトレーニングを重ねていった。すべてはチームを勝利へと導くために。


その思い、努力が報われたのが89分。遠野が落としてたボールに走り込み、思い切り右足を振り抜いた。シュートは低弾道の軌道で強烈。一瞬にしてゴールネットに突き刺さり、満面の笑顔で選手たちにもみくちゃにされた。

「自分のゴールでチームを勝たせることができた瞬間、特別な思いになった。今後もこういう活躍をしてチームの勝利に貢献したい」(橘田)

様々な壁を乗り越え、試合を重ねるごとに左腕に巻く腕章も体の一部になってきた。そして、この重要な一戦では大きな勝利をもたらしてくれたのだから頼りになる男である。

今週末は天皇杯準決勝の福岡戦。決勝進出するために、タイトルを獲得するために。この日も橘田を筆頭にチーム全員が熱く戦う。

(高澤真輝)

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