フロンターレデビューを飾った富士フイルムスーパーカップで決勝点を挙げたファンウェルメスケルケン際。あれから、なかなか出場機会が巡ってこない時間もあったが自分に矢印を向けてトレーニングに打ち込んでいる姿が麻生グラウンドにはあった。

「毎試合、必ず試合に出られることを約束されている選手はいないと思います。だから試合に出られないときに、自分に矢印を向けてトレーニングできるかが大事。僕はなりたい自分に到達するために逆算をして毎日取り組んでいるし、今すべきことをやっていくマインドでサッカーをしています。もちろん毎週、試合に出て結果を出せればいいですが、とにかく自分に矢印を向けてやり続けるのが自分です」

そして、ついに巡ってきたJリーグデビューの瞬間は前節の東京V戦。前からプレスをかけてくる相手を冷静に交わして前に運ぶアグレッシブさや、対人の強さでボール奪取するフィジカル。自分の特徴、武器はこれなんだと表現するパフォーマンスを披露した。

「スーパーカップから時間がスタメン出場するまでに時間が空いたので緊張しました。等々力ではACLでベンチに入ったことはありましたが、なかなかデビューできなかったので、デビューできる喜びもあったし、そこで自分にできることを見せないといけないと思っていました。そういったことも含めて色んな感情があった試合だったなと。ただ、勝点3を取れなかったので悔しいです」

もっと自分らしさを出して、試合に出て勝利に貢献したい──。その思いは結果へと結びついていき、際も試合を重ねるごとにプレーの迫力も増していくことだろう。そんな期待感を持たせてくれるのも、日々の取り組みを見たら一目瞭然だ。いつ、どんなときでもポジティブに前向きにサッカーと向き合っている際。これから、どんな壁があろうとも乗り越えて強くなり、サイドバックからチームに勢いを与える存在感を発揮してもらいたい。

（高澤真輝）