勝利にチョン ソンリョンの活躍あり――。素晴らしい判断力で飛び出してピンチを防ぎ、際どいコースに飛んでくるシュートもセーブして幾度となくチームを救う。また、最終ライン背後のスペースを埋めるカバーリング意識が守備陣の負担を軽減させる役割も担うなどソンリョンの活躍なくしてJ1リーグ優勝を語ることはできないだろう。

そんなソンリョンの素晴らしいプレーの数々の裏側には、麻生グラウンドの練習でGKチームがレベルアップするために日々の取り組みに打ち込む姿があった。「新吉さん（菊池新吉GKコーチ）はグラウンドでも日常でも今自分に足りないところのポイントを落とし込んでくれる素晴らしいコーチです。タンちゃん（丹野研太）は僕がシーズン序盤に怪我をしたときに良いプレーをしてくれたし、大きな声で鼓舞をしてくれます。安藤（駿介）や（イ）キョンテとも1年間切磋琢磨をしてきました。僕も練習をしながら彼らから学ぶこともありましたし、僕たちは本当に良いGKチームだと思っています」とソンリョンが話すように、フロンターレのGKチームの常に互いが高め合える関係性が、チームにとってもソンリョンにとっても大きかった。

そして、今週末は2位の横浜F・マリノスとのリーグ最終戦を迎える。このメンバーでできるのも最大で3試合。「今シーズン、僕らのライバルとして戦ってきたチームです。有終の美を飾るために最善を尽くしたい」とソンリョンが意気込むように、我慢強く守備で攻撃を跳ね返してフロンターレらしいアグレッシブなサッカーで勝利を掴みにいく。

（高澤真輝）