【F通信】みんなから愛されたチャナ
誰かと話しているとき、相手がくしゃっとした笑顔を見せてくれると、本心で笑ってくれていると感じたり、心から笑ってくれていると感じることができる。そういった愛嬌が人を惹き付け、親しみやすい存在へとなっていくのだと思う。チャナティップも同様に屈託のない笑顔をいつも見せてくれるからこそ、多くのサッカーファンから愛されているのだろう。
そんな誰からも愛されるチャナティップがタイリーグ1部のBGパトゥム・ユナイテッドへ完全移籍することが発表された。
振り返ればフロンターレにやってきたのは2022年1月26日。沖縄キャンプの途中で合流し、チームメイトの花道で迎え入れられたシーンを思い出す。あれから、すぐチームに馴染み、フロンターレのサッカーにアジャストさせていく作業を続けていった。そしてリーグ戦は16試合に出場し、ACLでは3試合で2得点をマーク。今シーズンはリーグ戦2試合のみの出場に留まったが、変幻自在のテクニックとクイックネスを生かしたプレーは対戦相手の選手も「速くて上手かった」と話すほどだった。
このフロンターレで過ごした1年半は多くの出場機会に恵まれなかったことに悔しさもあるだろう。ただ、チームメイトと喜怒哀楽を共有して戦い続けた記憶はいつまでも残り続け、今後のサッカーキャリアに生きてくるはずだ。
そして以前、チャナティップが話していたことがある。
「僕は自分らしいプレーを見せたいんです。サッカーは勝ちか負けしかないが、そのなかでどれだけ人を楽しませることができるかだと思う。それにサッカーの試合を見てくれる子どもたちもたくさんいますし、僕のサッカーを見てサッカーをやるキッカケになってくれることや、将来への刺激になってほしい。だから、子どもたちのためにも頑張って自分の力を見せていきたいです」
これからJリーグでプレーを見られないと思うと寂しい気持ちもあるが、チャナティップの楽しそうにサッカーをプレーする姿は多く方に夢や笑顔を与えることができる力がある。タイ国内だけではなく、日本にも届くような躍動するプレーを見られることを楽しみにしたい。
PS.
6月25日(日)、Anker フロンタウン生田にて行われたチャナの送別会には約350人の札幌とフロンターレサポーターが集まりました。チャナは一人ひとりに対して両手を合わせて笑顔で挨拶を交わして別れを惜しみ、温かく送り出されました。誰からも愛される選手だからこそ、多くの方が駆け付けてくれたのだと思います。いつか対戦相手として等々力に帰ってきたときは万雷の拍手で迎え入れたいですね。
また会えるのを楽しみにしています!
(高澤真輝)