【Voice!】2024年川崎フロンターレ加入内定 由井航太(川崎フロンターレU-18)
──まずトップチーム昇格が内定した瞬間の気持ちを教えてください。
正直なところ大学に行くことになるのかなと思っていたので、最初にそう言われたときはびっくりしました。驚きの感情が一番にきましたね。自分としてはプロに行けるなら絶対に行きたいと思っていました。家族もすごく喜んでくれましたし、素直に嬉しかったです。
──今年3月にトップチームの公式戦に出場可能な2種登録選手として登録されました。そのときプロの世界が近づいた感覚はありましたか?
いえ、全然なかったです。怪我人が増えて人数が足りなくなったときのことを考えての登録で、シーズンを通した戦力として見られているわけではないだろうなと思っていました。
──由井選手自身としてはどのあたりが評価されたと思いますか?
中盤でボールを奪い切るプレー、ボールを奪って前の選手に預けるプレーが評価されたと思っています。あと自分は特別大きな選手でないですがそれなりにサイズはあると思っているので、そこも含めて評価してもらえたのかなと。
──好きな選手、参考にしている選手はいますか?
フロンターレにいた選手で目標にしているのは田中碧さんです。田中さんのように攻守両面でハードワークできて、なんでもできる万能MFになりたいです。あとはその都度、参考にする選手が変わるというか。いま海外の選手ではマンチェスター・シティのロドリ選手(ロドリゴ・エルナンデス)に注目しています。ポジションやタイプ的に近い感じがして、すごい選手だなと思いながらプレーを観ています。
──今年8月半ばから約2週間、トップチームの練習に参加しました。長くプロの選手と一緒に練習して、何か見えてきたものはありますか?
現時点の自分のレベルだとすべてにおいて足りなくて、トップチームについていけてないなというのが率直な感想です。とくにプレースピードや判断の速さがユース年代と全然違っていて、すごく差を感じました。
──ただ高校3年生の夏の時点でトップチームの練習に長く参加したことで、今後の目標がより明確になったのでは?
はい。本当にそう思います。
──由井選手がアカデミーに入ったのが小学校3年生なので、フロンターレ歴としてはすでにかなり長いですね。一番印象に残っているトップチームや選手はどのあたりですか?
自分のなかでは大久保嘉人さんやレナト選手がいた頃のチームの印象が強く残っています。その頃まだ小学生で、大久保さんが得点王を獲った頃のチームをよく観ていました。
──プロになるまで半年間ありますが、その期間にやっておきたいことはありますか?
ひとつは体作りです。まだまだ線が細いので、体をもっと大きくしてフィジカルを強くしなければと思っています。あとはU-18に戻ったときに、ユース年代に合わせるのではなくてトップチームで体感した基準を落とさずに練習したいです。
──トップチームで経験したものをU-18のチームメイトに伝えて全員でレベルアップしたいですね。
そうですね。自分が言うとなんか偉そうな感じになっちゃいますけど(笑)。自分はうまい選手ではないですが、トップチームの先輩たちと練習して感じたものを伝えられたらいいなと思います。
──今年のフロンターレU-18はどんなチームですか?
みんな技術があってうまい選手が多いです。そこまで大きな選手がいるわけではないので、下でしっかりボール動かしながら点を取る攻撃的なチームだと思います。
──そんなチームにおいて由井選手の役割は?
自分は中盤でバランスをとりながら守備で頑張るというのが基本的な役割だと思っています。
──ただ今年は怪我があって春先は出場できませんでした。
はい。ちゃんと復帰して試合に出たのは、8月の頭ぐらいからです。
──ではトップチームの練習に参加したことでコンディション的にはかなり上がっているのでは?
そうですね。贅沢な時間の使い方をさせてもらいました(笑)。
──現時点でのU-18のテーマ、目標はありますか?
目標はもちろん優勝です。いまプレミアリーグEASTで上位につけているので優勝を狙って、去年プレミアリーグファイナルで鳥栖U-18に負けたので今度こそは日本一のチームになりたいです。
──では個人的なテーマは?
いつも話していることなんですが、自分はチームで一番の選手でい続けるというのが一番の目標です。でも今年の前期は逆に周りの選手に引っ張ってもらっている状態で、自分自身は情けないプレーばかりだったと思います。後半戦はチーム引っ張っていきたいですし、チームの勝利に少しでも貢献したいです。
──高校生活も残り半年ですが、サッカー以外でやり残したことはありますか?
ずっとサッカーだけをしてきたので、正直なところやり残したことだらけです(笑)。放課後に残って友だちを遊んだり、学校のみんなで部活動をしているのがうらやましいと思ったこともあります。学校の行事があるときもサッカーでほとんど休んでいて、修学旅行も行ってないんですよ。でも自分で選んだことですし、ずっと我慢してきたからこそいまがあるので、それはそれでよかったのかなと思います。
──U-18はサポーターの皆さんも注目していると思います。今後こんなプレーを見せていきたいという思いはありますか?
チームを勝たせられるように走るだとか、球際で強く行くとか、基本的な部分で体を張って戦いたいです。あとはやっぱりチームの勝利ですよね。サポーターの皆さんにひとつでも多くの勝利を見せたいので、残り試合全部勝ちます。
──では最後に、トップチームに上がるにあたっての今後の抱負、メッセージをお願いします。
来シーズンのトップチーム昇格が内定した由井航太です。トップチームでは一番下の年齢になると思いますが、遠慮しすぎずに日々の練習からアピールすることが大事だと思っています。つねに100%で練習に打ち込んで、まずは1日でも早くトップチームの試合に出場したいです。応援よろしくお願いします。
(取材・麻生広郷)