（質問者は通信社、新聞社や専門誌、フリーランスの記者の方々です）

──ゴミス選手からメディア、サポーターの皆様へのメッセージをよろしくお願いします。

皆さん初めまして。温かく迎えてくれてありがとうございます。日本に来ることができて幸せですし興奮しています。そして川崎フロンターレでプレーできる喜びに満ち溢れています。自分にとっても素晴らしい経験になると思っていますし、エネルギーに溢れてハッキリとしたプロジェクトもったクラブでプレーできるチャンスを得られたことは大変名誉なことです。

──フロンターレに加入するにあたっての思いを聞かせてください。

川崎フロンターレは日本でベストなチームのひとつ。クラブとしてハッキリとしたプロジェクトと野心をもっています。社長をはじめ、強化部、監督やコーチ陣にも会いましたが、みんなが野心をもって素晴らしい環境のなかでハードワークしている印象を受けました。そういったクラブであることはオファーを受けたときから聞いていたので、ここでプレーしたいという気持ちにつながりました。いま川崎フロンターレは怪我を抱えている選手もいて、いい順位にいることができていませんが、チームにはいい選手たちが揃っています。自信を取り戻すためにも、自分の経験を伝えて強いフロンターレを取り戻すキッカケにしていきたいと思っています。その素晴らしいタイミングになるだろうと信じて、私はここへ来ました。チームメイトと力を合わせてゴールを決めてタイトルを獲りたいと思っています。

──加入を決めるにあたってマルセイユでチームメイトだった酒井宏樹選手に相談をしたという話を聞きました。どんなやり取りをしたのでしょうか。

酒井宏樹選手はマルセイユにいたときのチームメイトで親友の1人です。彼と話をしたなかで返ってきた答えはポジティブなものばかりでした。そして代理人も含めて私の周りも日本という素晴らしい国に行くことは、サッカー選手としても家族としても素晴らしいことだと後押しをしてくれました。自分以外にもJリーグで多くの外国人がプレーしていますが、そのなかで日本人選手のレベルは高い印象を受けています。昨日の試合も画面越しに見ていて、非常にクオリティの高いフットボールをしているなと感じました。自分自身も年齢は関係なく若い選手からたくさんのことを学んでいきたいと思っています。

──自分の経験をどうチームに落とし込んでいきたいですか？

幅広い世代から多くのことを学び、謙虚さを保って成長し続けることが大事だと思っています。そのなかで、自分の状態を上げるためにハードワークを続けて、ストライカーとしていいものをチームに還元したいと思っています。もちろん若い選手の模範としてできることもあると思いますし、自分の積み重ねてきた経験を伝えながら、自分自身も学びながら成長していきたいです。試合の勝ち方に決まった方法はありません。そのなかで川崎フロンターレは積み重ねてきてタイトルを獲ってきました。自分のキャリアのなかでも難しい経験をしてきていますが、サッカーの世界では今日正しかったことが明日も正しいとは限りません。そんな変化が激しい世界で、謙虚さをもってハードワークする姿勢をもってチームに貢献したいという思いです。

──ガラタサライ退団後は個人でトレーニングを積んできたと思います。どれくらいのトレーニングを積めれば試合に出られそうな感覚ですか？

正直、100%の状態とは言えませんがハードワークを続けて早くチームに絡み、自分のいいプレーを見せたいという意気込みをもっています。コンディションを上げることもそうですし、多くの試合に出てゲーム勘をつかんでいくことも大事だと思っています。もちろんいまは100%ではないですが、少しずつゲームに絡んでいくことで、状態を上げていきたいです。また、温かく受け入れてくれたチームメイトもエネルギーに溢れてポジティブな姿勢を見せてくれています。そのなかで自分は毎日ハードワークをして、試合でゴールを決めたい。たとえゴールを決められなかったとしてもアシストやボールを奪うことがいい結果につながると思うので、何らかの形でチームに貢献することを考えてやっていきたいです。それがサポーターの皆さんの喜びにつながっていくと思うので、早く実現できるようにしたいです。日本の蒸し暑い時期なので「THE LION」はフィットするまでに時間が必要です（笑）。もう少しお待ちください。

──2019年にACL決勝で来日した際にJリーグにポジティブな印象をもったと聞いています。中東からもオファーがあったなかでフロンターレを選んだ理由は？

先ほども言いましたが川崎フロンターレはハッキリとしたプロジェクトをもっているクラブで、自分が成長していけると強く感じたので加入を決めました。以前プレーしていたサウジアラビアでは自分なりに歴史を作り上げてトロフィーを獲得しました。それはトルコのガラタサライでも同じです。そういった場所で積み上げてきたものがあるので、新たな環境でチャレンジしたいという気持ちが強かったです。サッカーを続ける理由はお金のためではなくて、どれだけ自分が成長していけるかを大事にしています。長く欧州でプレーしてきましたが、日本でプレーすることは自分自身が成長していけるチャンスだと代理人とも話していました。また、自分が若い頃にサンテティエンヌで一緒にプレーした松井大輔選手や酒井宏樹選手から日本人は礼儀正しくて非常にいい印象を受けたので、日本の文化を学びたい気持ちもあります。

川崎フロンターレはいい選手が揃っていて、しっかりとしたフィロソフィーをもっています。私がここで強調して言いたいのは、川崎フロンターレはプレッシャーのなかで戦っているということです。強いクラブなので周りから勝って当然と見られるかもしれませんが、そのプレッシャーのなかでプレーすることが自分たちを大きくするチャンスになります。私は「THE LION」というニックネームのもとプレーしていますが、強いからこのニックネームなったのではなく、戦う男だからだと自負しています。朝起きればゴールを決めるぞという気持ちになりますし、トロフィーを見てもう一度トロフィーを獲るんだという気持ちを毎日刻んでいます。その強い気持ちを前面に出して戦うからこそ「THE LION」というニックネームがあると思っています。