【F通信】瀬古樹と松井蓮之。全体練習後に聞こえてくるボールの音
全体練習終了後にはトン、トン、トンと小気味よいボールの音が聞こえてくる。音の鳴るほうに目を向けると一つひとつのトラップ、パスにこだわって技術を向上させるためにトレーニングに励んでいる選手がいた。
それが瀬古樹と松井蓮之である。戸田光洋コーチの指導のもと、パススピードの力を吸収する足の出し方や、次の動作へ素早く動くために体の向きを斜め45度に開きながらトラップするトレーニングなど体の動きから体の動きからレクチャー。両選手は戸田コーチの言葉に耳を傾け、反復練習を繰り返していた。
その成果はトレーニング中からも現れている。一つひとつのトラップからパスの動きの質が向上し「去年はボールを止めなきゃいけないと意識しすぎていたけど、今年はあまり考えすぎずにできるようになった」と瀬古が話すようにボールを止めることに自信が付いてきたことで、より自分のよさを出すことに集中できるようになってきた。
また松井も「パスの速さや質にこだわってやって、ミツさんとの練習をすることで試合中に成果を出すことができると思っていますし、自分自身の成長も感じています」と手応えを語っていた。
この光景はキャンプ中だけではなく、麻生グラウンドでも見られたもの。欠かさず毎日のように地道に練習することで、よりパワーアップした姿がそこにはあった。その成果を試合で出すために加入2年目の瀬古、プロ2年目の松井が強い思いを口にする。
「いつも全体練習が終わってから練習に付き合ってくれているミツさん(戸田光洋コーチ)に感謝しています。あれが、自分の積み重ねだと思うし、このクラブにいるからには必要な部分ですし、日々成長できている実感があります。だからこそ今年は去年の1年を無駄にはしたくない。やっぱり試合に出ないといけないので、今年は去年よりも覚悟をもってやらないといけないと、自分にも発破をかけています」(瀬古)
「今年は勝負の年。アグレッシブに練習でも遠慮することなくガツガツいっていますし、自分のよさを100%で出せるようにやっています。そこをオニさんも評価してくれると思うので、守備や切り替えの部分のところを意識してやっていきたい。それに試合に出て表現するために練習している。自信をもってやるだけとミツさんにも言われていますし、自信をもってプレーしていきたいです」(松井)
すべてはフロンターレで試合に出て、勝利へと導く選手になるために──。今までやってきたことを試合で表現する。
(高澤真輝)