麻生グラウンドで早坂勇希の大きな声が聞こえてくる。年齢関係なく指示を出して、盛り上げる。そしてGKチームの練習も一つひとつのシュートに対してこだわりをもってセービングすることを繰り返して努力を続けているのが早坂だ。

「全力でやることもそうですが、信頼を勝ち取るために365日ケガなく健康でい続けることを意識しています。そのなかで徐々に信頼を勝ち取っていかないといけないですし、妥協を許さないこと、キツいときこそ頑張ることが大事ですから」

その積み重ねがレベルアップにもつながっている。実際に「シュートストップに関しては徐々に自信もついてきているし、強気なポジショニングをとることができています」と話すように技術面も向上している。ただ、目指している場所は公式戦のピッチや試合に出続けること。だからこそ自分に矢印を向け続ける。

「自分では成長しているとは思っていません。試合に出られるようになったら成長したと思えるようになるのかなと。まだまだですよ。たとえば『めっちゃ止めたね』と言われたとしても1失点をしていたら納得いかない。究極を言えばコーナーキックにもしたくないんです。すべてのシュートをキャッチして無失点にして初めて完璧と言える。そこに到達するまで満足はしないと思います。そういうレベルを目指していきたいです。

シュート練習とかでミキさんやヤスくん（脇坂泰斗）が『キャッチしろよ』と冗談気味で言ってくるのですが自分のなかでは受け止めて納得しています。なぜなら僕は究極を追求していますから。心からすべてのシュートをキャッチしたい思いが強いです」（早坂）

ACLのメンバーにも入り、より試合に出たい思いが強くなった。「自分の序列を一つでも上げて、試合に出場できるように一つひとつにこだわりながらやっていきたい」と早坂。今シーズンも残りわずか。試合に出るために、チームの勝利に貢献するために声を張り上げてサッカーと向き合っていく。

（高澤真輝）