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【フロ街diary】プレミアEAST第14節vs前橋育英高校 ※無料公開

気温は32.2℃。体感はそれ以上でした。照りつける日差しが痛いほど暑くてジッとしているだけで大量の汗が出てくる…。そのなかで頭をフル回転させながらハードワークし続けるフロンターレU-18の選手たちは本当に逞しかった。

素晴らしかったのは攻守ともにチーム全員が同じ絵を描きながら戦えたこと。守備に関しては試合開始前の狙いとして前からプレッシングをかけることを意識していましたが、相手にボールを持たれる時間も多かったため無理にボールを奪いにいくよりもブロックを構えて跳ね返していく形へ変更。ピッチ上に立つ11人が相手を出方やボールの回し方を見て、自分たちがボールを保持するための最適解を見つけ出すことで、いい守備から攻撃につながっていきました。このように全員がイメージを共有して、目を揃えてプレーに表現できるのは声をかけ合い、フロンターレらしいサッカーをするためにどうしたらいいのかを柔軟に考えられているのは選手個々の力、チームの力が成長してきている証拠。この姿を見た長橋康弘監督も目を細めていました。

「選手たちにはグラウンドのなかで感じることを大事にしてほしい。とにかく喋って勇気をもって決断しようという話しています。その決断した方法が絶対に間違っていることはない。それよりも決断した方法を正しい方向にできるように全員が目を揃えてやっていこうと共有しています。本当に試合を重ねるごとに上手くなっているなと感じます」(長橋監督)

その戦い方で主導権を握ったフロンターレU-18は、色んな選手が関わるコンビネーションで攻撃を構築。すると、右サイドを駆け上がった江原叡志選手のクロスのこぼれ球を岡田泰輝選手が押し込んで先制。さらに44分にはショートコーナーの流れ名賀海月選手が高精度アーリークロスをゴール前に送ると飛び込んだ岡野一恭平選手がヘディングシュートでゴールネットを揺らして2点のリードを得ました。

後半もペースを握ったフロンターレU-18は63分に怪我で離脱していたエース・岡崎寅太郎選手がピッチへ。彼の目はギラついていて、とにかくゴールへの思いの強さをプレーにぶつけていました。ゴールを奪えるエリアに何度も走り込んで、前へ前へとボールを運んでいく──。そんな姿勢が報われたのが88分。岡田選手のパスを受けた岡崎選手が冷静にゴール右スミにシュートを決めて3-0としました。

これで試合は終了となりアウェイで快勝。首位の青森山田高校が敗れたことで最大のライバルとの勝点差は1に。この勢いのまま来週の9月23日(日)に等々力陸上競技場で行われる昌平高校戦を迎えます。

■試合後コメント

長橋康弘監督

──試合総括

選手たちはいい準備をして、この試合に臨んでくれました。この暑いなかでも前節と同様に、どう守るかを選手たちで話をしながらプレーしていました。私たちスタッフとしては、どんどん前から行きたいと思っていたのですが選手たちは構えながら守備をしていました。そのほうがいいのかなと私は見ていたのですが、選手たちはその形でしっかり守ってくれていました。選手たちで守備方法を決断して戦う姿を見ることができのが、とてもよかったです。

──前半は前橋育英に回されるところもありましたが選手たちが構えて守ろうと決断したということですか?

そうですね。もっと前から行くと思っていたのでが『あれ?』って(笑)。選手たちにはグラウンドのなかで感じることを大事にしてほしい。『とにかく喋って勇気をもって決断しよう』という話しています。その決断した方法が絶対に間違っていることはない。それよりも決断した方法を正しい方向にできるように全員が目を揃えてやっていこうと共有しています。本当に試合を重ねるごとに上手くなっているなと感じます。

──それがピッチでできるようになってきているのは選手の成長を感じますか?

今年の最初は声が少ない印象もありましたが、グラウンドで喋る数も増えてきましたし、解決方法を考えながらやっている姿を見ることができています。これを続けていってほしいです。フロンターレは相手を見てサッカーするチームなので正解は相手にある。それを考えたときに試合ごとに解決方法を見出していくことは絶対にやらなければいけないと思っています。本当に選手たちはよくやっています。

──加治佐海選手が代表活動で不在でしたが、名賀海月選手が入った右サイドもすごくいいプレーを見せてくれていました。

トレーニングからミツキ(名賀海月)も非常にいいパフォーマンスを見せてくれていました。やはり出場した選手のキャラクターを大事にしています。今日もミツキに関わる選手も生きていましたし、ボールが入ったときに関係を作れる距離感がありました。よかったと思います。

──これまで出場機会が多くなかった岡田泰輝選手、髙橋宗杜選手が活躍しています。岡崎寅太郎選手も危機感をもってピッチに入ったと思います。その競争をどう感じていますか?

毎週、競争を見ることができています。悔しい思いをしている選手たち、タイキ(岡田泰輝)、ソウド(髙橋宗杜)は結果を出している姿を見ているとリハビリ中の岡崎寅太郎も思うところがあるんだろうなと感じていました。逆にまだ出場することができていない選手たちもいますが、1週間のトレーニングの取り組みはかなり変わってきています。とにかくチャンスを掴もうとしている、いい競争が生まれていると思います。

──途中から出場する選手もやってくれる期待感も大きいです。

途中から入る選手たちが思い切りできる環境をピッチに立っている選手たちが作ってくれています。それは大きなことですね。練習から八田も児玉もいいプレーを見せてくれていますし、誰がスタメンでもいける感覚は僕だけではなく選手たちも感じていると思います。今日連れてこれなかった選手も自分だってできるという気持ちも絶対あります。その思いがトレーニングから出ているし、1週間でかなり成長している姿が見えます。非常にいい状況を作ることができていると思います。

──次節は等々力陸上競技場で昌平高校との一戦を迎えます。

前回対戦に負けているチームとの試合です。技術にこだわるチームでもあるので、そこには負けたくない思いは選手たちもあると思います。等々力の素晴らしいピッチとサポーターの前で内容と結果にこだわってやってほしいです。選手たちには思い切りやってほしいですね。緊張して自分の力を出せない時間はもったいなくていらない。そこは私たちの作業でもあるので、試合が始まったら自分たちのサッカーをやり切るために準備をしていきたいです。

GK 1 濱﨑知康

前半に2点を取れたのでうまくゲームを運ぶことができました。ただ、後半に暑さで落ちてしまった部分もあるので、そこで失点をしてしまえば難しい試合になったのかなと。前橋育英はボールを持てるチームなので、自分たちが保持できる時間は少なくなる想定はしていました。そこで無理矢理ボールを取りに行って剥がされるよりも、守り切ってボールを保持しようと声をかけ合いながらできていたのもよかったと思います。前半にあったピンチは、オフサイドかと思ったがそこで止まらずに自分の間合いで反応することができました。自分はあまりスーパーセーブをするような選手ではないけど、ここで止めることができてよかったです。

DF 5 土屋櫂大

暑さもありましたが、自分たちが声をかけ合いながら戦うことができました。また、隣の由井がインターセプトをする場面が多かった。そこは自分も見習っていかないといけないなと感じました。僕もトップチームのレベルに合わせてやっていかなければいけないと思っているので刺激を受けることができています。由井とはぶっつけ本番だったけど、彼は何でもできる。彼任せではないけど心配なく、いつも通りできたのかなと思います。無失点の試合が続いてるのも全員が守備を意識してやってきたのが表れているのかなと。そこは続けてやっていきたいです。

FW 9 岡崎寅太郎

去年、怪我で復帰してから点を取れない時期が続いて苦しくなってしまった経験がありました。だからこそ、今回は点を取るんだと気持ちが入っていました。もちろん監督からは守備からと言われていたので、後ろの指示を聞きながら守備をして攻撃になれば自分のいいところを出すことを意識して動き出しを狙っていました。僕が怪我をしている間、チームは勝点を積んでくれていたなか、ソウド(髙橋宗杜)がいいプレーをし続けていたのはすごく刺激になりました。これは本人には言えないですが、彼のポストプレーや動き出しを参考にしている部分もあります。タイプが違うけど、得点にこだわるFW同士なので絶対に負けたくないですし、切磋琢磨して一緒に学び合いながらやって成長していきたいと思っています。

──次節に向けて。

去年、等々力でやった試合は楽しいなと感じました。あの雰囲気をサポーターの方が作ってくれたことが僕たちのモチベーションになります。自分たちは目一杯やって、勝ちたいです。

MF 14 岡田泰輝

得点シーンはチームとしてクロスに入るときにニア、ファー、マイナスの3つを意識しています。自分はマイナスの位置にいてエイジ(江原叡志)はニアかファーを狙っていたと思いますが、ちょうどボールがこぼれてきたので押し込むことができてよかったです。なんかボールがこぼれてくることが多いんですよね。僕は運がいいので(笑)。だから今日も運がよくてよかったです(笑)。いまは誰が試合に出ても点を取れる感覚があります。だからこそ自分も得点を決めていなかなければいけないと思っています。

MF 11 岡野一恭平

前節も今節も自分が決め切れれば、もっとラクなゲームになったと思う。暑いなかでも守備陣が体を張ってゼロに抑えてくれていたので…。外しすぎました…。得点シーンはショートコーナーで用意はしていたのですが、ミツキから素晴らしいボールが来たのでオフサイドにならないように流し込むことができてよかったです。ヘディングは珍しいですね(笑)。もっと得意にしないといけないですが、たまたまですね。次は自分の実力からヘディングで決められるようにならないといけないと思っています。

──次節に向けて。

等々力には多くのサポーターが来てくれると思います。見ていて面白いサッカーを見せて、EAST優勝につながるような試合をしたいです。自分の特徴を出して、ボールをもったら面白いなと思ってもらえるプレーを見せたいです。

P.S
誰が出てもハイレベルの試合を見せてくれる──。この日も加治佐海選手が代表活動でいなかったり、出場停止で林駿佑選手を欠いていたり…。それでも途中出場選手も含めてピッチに立つ全員が特徴を出して素晴らしいプレーを見せてくれます。来週の等々力開催に足を運ぶ方のなかには、初めてフロンターレU-18を観に来る方も多いと思います。本当に魅力溢れる選手たちが多くいるので、全員に注目をしてみてください。そのなかで自分好みのプレーをする選手、ボールをもったらワクワクする選手を見つけてみてください。等々力でヤンフロが躍動する姿に期待しましょう!

(取材:高澤真輝)


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